鳥取県西部に位置する南部町で、移住定住サポートや空き家一括借り上げ事業、ふるさと納税業務など、豊かなまちづくりに取り組む「NPO法人なんぶ里山デザイン機構」さん。このプロジェクトには、首都圏と鳥取県内から参加者が集まり、一人ひとりに役割のあるチームを編成し、パンフレット作成で団体を応援しました。
プロボノのプロジェクトには、5名前後の参加者が協力して進めるチーム型と、ご自身のペースで進める個人型がありますが、いずれもプロセスは同じです。
まずはチームメンバーの顔合わせ。自己紹介やプロボノ参加のきっかけ、プロジェクトや地域のことをチームメンバー同士で話します。団体の活動内容や課題、プロジェクトの成果目標、進め方やゴールも確認します。
NPO・地域コミュニティなど、プロボノの成果物を届ける地域の人たちとの顔合わせ。地域への理解を深め、プロジェクトの目的と目標、スケジュールなどを確認します。
団体のみなさんと鳥取メンバーがいる南部町と、首都圏メンバーが集まる渋谷の 2 拠点をつないで、オンラインミーティングとなりました。現状認識を共有するとともに、団体がプロジェクトによせる期待値と、プロボノチームが応えたいことが同じであることも確認できました。最後はプロジェクトメンバーみんなで集合写真を撮り、いい雰囲気でプロジェクトキックオフです。
1泊2日~2泊3日の現地滞在で、地域の現状をリアルに見て感じ、地域の人々の生の声に耳を傾けます。活動体験やヒアリング、地域住民との交流など、地域の暮らしに触れる“大人の社会科見学”です。
現地体験は、地方特有の問題を自分の身体の感覚で掴める点が魅力です。これくらいの広さの町に、これくらいの間隔でこんな感じの人々が住んでいて、町にはこういう観光名所や料理店、一般的なチェーン店などがあって、いまこんな問題を抱えている、そうしたことを実体験として感じることができました。
個別ヒアリングや各種調査結果の情報を整理・分析した内容にもとづいて、成果物のターゲットとコンセプトを提案します。プロジェクトの方向性を決める重要マイルストーンです。
提案書の仕上げは怒涛の作業で、メンバーも少し不安を抱きつつ迎えましたが、みんなが必死に頑張ってくれたことが、ちゃんと実を結びました。団体からは「提案を聞いて、外からの声が大事だと思いました!」「思いついたことを言うだけではなく、アイディアをかたちにしていこうとするプロボノはすごい!」などなど、とても嬉しい言葉をたくさんいただきました!
事前に資料を拝見した時点でワクワクしていました。特に「プロジェクト化する」という発想はなく、「なるほど!」と思いました。南部町にデザイン機構が知れ渡っておらず、「何かやっとるが何やっとるの?」とはよく聞かれていたので、みなさんのヒアリング内容と分析、それに基づく提案も納得できました。成果物を活用することで、そうした課題も解決していきたいと思います。
デザイン機構さんとのやりとりはZoomなどオンラインがメインで、頻繁に全員が集まって話すことも難しかったので、方向性を決めるときに意見をもらいやすいよう、クリエイティブ提案ではデザインを3案提案しました。「地域を巻き込んで」というコンセプトがマーケティング戦略提案で決まったので、南部町の人が自分事と思えるように作りました。南部町の人の温かさや宿泊した家、見た景色など、実際に行って感じた南部町の雰囲気が伝わればいいなと、デザインで表現しました。
鳥取と東京で距離が遠いので、チーム内の空気感がつかみにくく、コミュニケーションの難しさを感じるときもありましたが、構成やキャッチコピーなど要素ごとにみんなで意見を出しあい、作り上げていったのが楽しかったです。
成果提案ミーティングは、プロジェクトの最後を飾る全体の打ち合わせです。プロボノチームから団体に最終成果提案を行う感動の瞬間でもあります。団体が次のステップに1歩踏み出せるよう見届けることがゴール。成果物の活用⽅法などを引き継いだあとは、プロジェクト完了のお祝いを︕
チームメンバーみんなが南部町に集合し、最終提案プレゼンを行いました。 団体の方々が抱える課題や現状を知るにつれ膨らんだ、「パンフレット作成だけではなく、根本的な課題解決に役立つ提案もしたい。」というチームの思いから、パンフレット活用策もいろいろと提案しました。実行していく団体の負担も大きくなる提案でしたが、「ぜひやっていきたい!これからもしっかり活用していくところを見守っていて欲しい。」と嬉しい言葉をいただきました。 この出会いを大切に、メンバー全員でこれからも団体の取り組みを応援していきたいと思います!
チームが提案するコンセプトや成果物もとてもよく、それらを活用することで、団体の認知度を上げたり、情報発信を効率的に行っていくことができると思いました。また、プロジェクトを通して活動内容の改善点も明確になり、スタッフのモチベーション向上や、団体の活動意義に新発見があるなど、副次的な効果も得ることができました。私にとってプロボノは「救世主」です。今回プロボノチームが南部町に来てくれて嬉しかったです。成果物を活用して、町全体を巻き込んだプロジェクトに発展していくよう、これからがんばります。本当にありがとうございました!
団体の課題解決を通じて、その先にある社会課題解決に寄与したプロボノチーム。メンバー同士でプロジェクトをふりかえり、プロボノで得られた新たな発見や気づきを共有しました。
その他の事例については、 こちら からご覧ください。
プロボノでは、地域団体の日常的な活動を支援するのではなく、活動の土台として効果的に活用できる成果物の提供を心がけています。プロジェクト満足度は 98%。参加者と地域団体から嬉しい声が届いています。(上記事例以外の声も含まれています。)
地縁も血縁もなかった鳥取という土地に、プロボノを通じて接点ができました。人々との関係や、土地への想いが醸成されていき、私にとって“第二のふるさと” となりました。地元以外にはしないと決めていたふるさと納税も、鳥取中部地震のニュースを聞いて団体拠点の倉吉市に行いました。
プロボノチームの持っている専門的な知識・ノウハウを知り、スタッフが自主的に学ぶ意欲・姿勢が生まれました。また、プロジェクトに参加することで、団体のビジョンや事業目標を整理する機会にもなりました。
現地を訪れることで、団体が解決したい社会課題「空き家問題」を、その地域の課題として実感することができました。リアルに風景を目の当たりにしたり、そこで生活している人から話が聞けたり、現地滞在によって課題をより鮮明に理解することができました。また、自分にもできる地方のための支援があるのでは、と考えるきっかけにもなりました。
一言でいえば、プロボノは「超強力な助っ人」です。団体の活動を見直すチャンスになりました。ありがとうございます。
ふるさとプロボノは、地方特有の問題を自分の身体の感覚で掴める点が魅力です。全然自分が知らなかった地方のことに興味と親近感を持つようになり、世界が広がりました。天気予報一つとっても「鳥取で~」というニュースを聞くと、「ああ、あの町は大丈夫だろうか。」と自然と思えるようになり、自分の心が豊かになったことを感じています。
研修制度を用意したり、育成制度をつくる余力がなく、スタッフが自己流で色々な仕事にとりくんでいるのが実情です。非営利団体の発展に、プロボノは不可欠と考えています。
リーダー工藤さん
待ちに待ったチームメンバーの顔合わせ、首都圏メンバーと鳥取メンバーをオンラインでつないで行いました。軽い自己紹介から始まった打ち合わせは、まだまだカタい感じは否めませんが(笑)、団体に確認したいことや追加したいヒアリング対象者の話を始めたら、少しずつ打ち解けていきました。まずはキックオフミーティングに向けて、チーム始動です!