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ワインBBQと収穫体験
キックオフミーティング後、夜はお待ちかねのワイン&BBQ。まずは自分たちが高山村のワインを味わわないことにはファンづくりも何も始まりません。
会場は、狩猟からジビエの加工・販売まで行う「信州山肉プロジェクト」主宰の宮川仁司さん宅です。残念ながら曇っていて村自慢の星空は眺められませんでしたが、風通しのよい屋外で、高山村のワインと共にジビエ料理や旬の農産物が振る舞われました。
信州たかやまワイナリーの醸造責任者・鷹野永一さんが1本1本ワインを紹介し、プロボノワーカーたち一人ひとりのグラスに注いでいきます。醸造家から直接ワインの話を聞き、嗜める機会は滅多にありません。
翌日は、信州たかやまワイナリーの畑でワイン用ぶどう「シャルドネ」の収穫体験を行いました。収穫体験は以前から観光協会やワイン関係者内でファンづくりのためのアイデアとして出ていたものの一つです。村サイドからすればトライアルを兼ねて、プロボノワーカーサイドからすれば施策を考える上で大切な実体験の場となります。
シャルドネの収穫方法や傷んだ部分の落とし方などのレクチャーを受け、指導を担当した生産者らと会話を交わしながら、2時間に渡り作業しました。最初は恐る恐る房に手を伸ばしていましたが、30分も過ぎるとペースは上がり、終わる頃には各人に割り当てられたカゴはどれも満杯になりました。
「ワインぶどうを見るのも収穫も初めてでした。最初は難しいかもと思ったのですが、だんだん慣れて、作業をしていると頭がからっぽになっていい時間でした。東京から数時間で行けるところで、こんな体験ができるのは、本当に魅力的だと思います」と大屋さん(ナショさん)。
一方で収穫期は農家にとって繁忙期でもあります。
「ぶどう農家の方が『収穫は決まった日にちに決まった量を納めなければならず大変な作業』とおっしゃっていたことが、体験してみてよくわかった。この制約がありながら、どのような体験プログラムを用意するかが肝だと思う」(渡邊史香さん<ふみさん>)と課題も見えました。
青空の下でランチwithワイン
収穫体験が終わりランチタイム。畑に囲まれたワイナリー前の庭で、地元の方の手作りのお弁当を食べました。
「ワイナリー前でのランチは景色が素晴らしく、あんなご馳走はなかなかありません!お弁当もお洒落だし、ワインも出たので、これは最高のもてなしでした」と大谷桃子さん(ももさん)。
農家が畑でお弁当を食べるのは日常かもしれませんが、都市住民にとっては非日常。こちらもコンテンツとしての可能性がありそうです。
旅館へのヒアリング
初回訪問の最後は3グループに分かれて、本プロジェクトの重要ステークホルダーである「旅館」へのヒアリングを行いました。
すでに高山村ワインを活かしたプランを提供しているところもあれば、ワインの取り扱い自体していないところもあります。前者からは事例の分析や現状の課題抽出、後者からはワイン導入の障壁や温度感を探ることがポイントです。
計5旅館のヒアリングを終え、次のような課題が浮き彫りになりました。
- ワインの仕入れ値が高い
- グラス単位で提供すると在庫リスクがある(ハーフボトルや樽で仕入れたい)
- ワイン畑やワイナリーを訪れたいお客様を案内しづらい(アクセスの問題)
- 旅館同士や、旅館業以外のステークホルダーとの情報共有や交流は限定的で、村としての一体感が希薄
- 低価格志向の宿ではワイン需要がそもそも低い など
ヒアリングをもって、飲んで食べて収穫して議論してと盛りだくさんの初回訪問は終わりました。ここから2カ月後の中間提案に向けて走り始めます。
【プロジェクト進展】
10月10日 現地訪問1日目(キックオフミーティング・村内視察・BBQ)
10月11日 現地訪問2日目(ぶどう収穫体験・旅館ヒアリング)