河北潟流域の環境保全と地域活性化が両立する、新しいプログラムの提案<完>

石川県河北潟

NPO法人 河北潟湖沼研究所

マーケティング基礎調査

←<3>へ

幅広く行われたヒアリング調査

プロボノチームが2班に分かれて行ったヒアリング調査。その対象は、河北潟水質浄化連絡協議会事務局がある「金沢市環境政策課」、河北潟干拓地を管理する「河北潟土地改良区」、河北潟の野菜や牛乳などを扱う「道の駅内灘サンセットパーク」、河北潟流域の浅野川(別名「女川」)の環境保全団体「女川の菜の花油に灯をともす会」、河北潟流域にあり、河北潟湖沼研究所の役員もいる「金沢星稜大学」、森下川上流の農業団体「まっきゃま」、“いきもの元気米”を栽培する農業法人「蓮だより」など、10組以上に及びました。

現地訪問は、チームが直接会って話せる貴重な機会でもあった
河北潟流域の上流。素敵な風景にも出逢えた

最終報告はアイディアが盛りだくさん

こうしたヒアリングや過去の流域アンケートの分析、3度に渡る河北潟への訪問など、プロボノチームは膨大なインプットを行い、アイディアを膨らませて練っていきました。 1月30日、そのアイディアを最終報告「未来につながる河北潟流域ツアーの新しい形」として発表。それは、従来のツアーのブラッシュアップはもちろん、新事業や広報活動、運営の効率化にまで及び、実に70ページ以上のぶ厚い報告書になりました。

井上さん、吉森さんからは、新規・ライト層の顧客獲得と、収益改善について。集客・認知度向上のためのSNSの使い方を提案。収益・運営効率アップには、これまで行ってきた講座から、学んだ証が残る「資格制度」に事業化する案や、高単価で少人数のツアーを企画する案。経費削減・運営効率アップにはQR地図の活用、スタンプラリーの開催、ボランティアガイド制の導入などが提案されました。またコロナ禍におけるツアーの形として、河北潟の食材と情報発信ができるオンラインツアーを紹介しました。

一方、実際の河北潟流域ツアーに参加した野田さん(のだちゃん)、山竹さん(やまちゃん)は、ツアーのブラッシュアップを検討し、オンラインの座学と現地でのフィールドワークを組み合わせた連続講座の開催を提案。受講者に河北潟流域を多面的に理解してもらうと共に、継続的なつながりを構築するのが狙いです。さらに行政や他の団体をも巻き込むことで、地域との連携を深め、河北潟で活躍する人材の育成にもつなげていけるのではと考えました。

最終報告に込めたプロボノチームの願い

4カ月間向き合い続けたプロボノチーム。

  • 河北潟の生物多様性を守り、地域振興につなげる
  • 湖沼が将来を担う子どもたちの育成の場となるよう再生する
  • 総合的に問題をとらえ、科学的に長期ビジョンをもって地域を導く

こうした河北潟湖沼研究所のビジョンを「河北潟の未来への思い」ととらえるようになりました。プロジェクトマネジャーの中山さん(ようこさん)は、「人ごとではなく自分ごととして、河北潟の未来を考え続けることができた。こういう人が一人でも多く現れる取り組みをしていってもらえれば」と話します。

「持続的な努力の必要性に共感できる仲間を増やしていくこと」こそが、河北潟の未来につながる。最終報告全体を通して、こうしたプロボノチームの願いが込められていました。

最終報告会。河北潟湖沼研究所のみなさんと

4カ月間のプロジェクトを終えて

この報告を受け取った高橋さんは、提案はどれも面白く興味深い内容だったと話します。
「みなさんが時間を使って一生懸命考えていただいた提案。いずれも素晴らしく、役に立つもので、全部試してみたいと思いました。連続ツアーは、内容までご提案いただいたので、このまま実行してみてもいいのではないかと感じています」

川原さんは、資格制度について可能性を感じたようです。
「この研究所は、大学の先生方がたくさん理事にいるので、そういうことをしたいとずっと思っていました。水辺の保全再生につながる制度ができたらすごくいいと感じています」

また、所長の永坂正夫さんや、理事の尾上健治さんも交えて、これまでに連続講座をした経験を踏まえながら、実際の運用についての課題などのディスカッションが交わされました。

これで4カ月に渡るプロジェクトは終了。「研究所のみなさんが積極的に参加してくれて、いい関係性を築けました。いいプロジェクトに参加できたと感謝しています」と中山さん。他のメンバーもそれぞれ、今後も持続的な仲間・ファンとして河北潟に注目し、関わっていきたいと話しました。

高橋さんは、4カ月をこう振り返ります。
「経験豊富で、若くやる気あふれるプロボノワーカーに出会え、たくさんのアイディアと元気をいただきました。プロジェクトは終わりですが、これから何かが始まりそうな気配がして楽しみです。これまでに2回*、プロボノワーカーの方たちとの協働を経験しました。いずれも少し難しい課題に取り組んでもらい、分析と提案という形の成果物になりました。それらは、長期的に具体的な活動・成果として実ってくるでしょう。次の機会があれば、ホームページの構築や宣伝物の作成など、さらに具体的・直接的な活動でも協働してみたいと思います。そして、私たちのようなNPOの活性化にプロボノがどう協働していけるのかを、多角的に見てみたいと考えています」

*1回目は2018年に販売する米の首都圏への展開についてPanasonic NPOサポート プロボノプログラムと協働

思いがけないスペシャルオファー

今回のプロボノチームとはこれからもつながっていきたいという高橋さんから、その後、思いもかけないオファーがプロボノチームに舞い込みました。それは2021年3月14日に行われる「河北潟流域シンポジウム」への出演。河北潟流域の連携について、大学の先生方の講演とともに、プロボノチームに事例報告をしてほしいというのものです。プロボノチームも快諾し、目下シンポジウムに向けて準備中。まだまだ河北潟との関係は続きそうです。

【プロジェクト進展】
11月18日〜26日 ヒアリング調査準備
11月27日〜30日 河北潟訪問(ヒアリング調査)
12月1日〜25日 ヒアリング分析
1月12日〜29日 最終報告に向けた提案内容整理
1月30日 最終報告会

11月27日〜30日、プロボノチームは現地視察とヒアリング調査で再び河北潟を訪ねた。27日は井上麻知子さん(まちこさん)が河北潟湖沼研究所主催の金曜マルシェに参加。翌28日は、吉森健人さん(けんちゃん)とともに、マルシェでも販売している「すずめ野菜」の畑を視察。玉ねぎの苗を植える手伝いをしながら、河北潟湖沼研究所理事長の高橋久さんと川原奈苗さんに話を聞いた。

プロボノチーム

ようこさん(プロジェクトマネジャー)

ネット関連事業のマーケティング・PR部門の管理職。自分の経験を生かし社会貢献したいと参加。プロボノからはじまる人とのつながりにも期待。

まちこさん(マーケッター)

食品メーカーで商品開発・ブランディングを担当。長年、農業や地域を応援する仕事をしてきたが、もう少し深く地域に関わり貢献したいと参加。

のだちゃん(マーケッター)

自動車メーカーで原価・予算管理を担当。これまでの経験を地域貢献に生かしたいと参加。他業種の人との繋がりにも期待している。

やまちゃん(マーケッター)

企業経営のリサーチ・分析が専門。プロボノ活動は3回目。地域活性化に興味があり、地域やチームとつながりができればと参加した。

けんちゃん(マーケッター)

地域創生×再生可能エネルギーの新規事業開発に従事。地方創生を志し、昨年、社会人大学院を卒業。学んだ知識を実践し社会に役立てていきたいと参加。

地域団体

地域概要

金沢市をはじめ2市2町にまたがる河北潟。干拓地では大規模農業が営まれ、酪農も盛ん。また県内でも有数の野鳥の宝庫としても知られている。

団体概要

河北潟の環境を改善しようと1994年に設立。水質や自然の調査研究、保全活動、環境に配慮した農作物の生産販売など幅広い活動を行っている。

プロジェクト概要

河北潟の水質汚濁などの問題を広く知ってもらうために、これまでのエコツアーを見直し、環境保全と地域活性化が両立する新エコプログラムの提案を行う。

11月27日〜30日、プロボノチームは現地視察とヒアリング調査で再び河北潟を訪ねた。27日は井上麻知子さん(まちこさん)が河北潟湖沼研究所主催の金曜マルシェに参加。翌28日は、吉森健人さん(けんちゃん)とともに、マルシェでも販売している「すずめ野菜」の畑を視察。玉ねぎの苗を植える手伝いをしながら、河北潟湖沼研究所理事長の高橋久さんと川原奈苗さんに話を聞いた。

プロボノチーム

ようこさん(プロジェクトマネジャー)

ネット関連事業のマーケティング・PR部門の管理職。自分の経験を生かし社会貢献したいと参加。プロボノからはじまる人とのつながりにも期待。

まちこさん(マーケッター)

食品メーカーで商品開発・ブランディングを担当。長年、農業や地域を応援する仕事をしてきたが、もう少し深く地域に関わり貢献したいと参加。

のだちゃん(マーケッター)

自動車メーカーで原価・予算管理を担当。これまでの経験を地域貢献に生かしたいと参加。他業種の人との繋がりにも期待している。

やまちゃん(マーケッター)

企業経営のリサーチ・分析が専門。プロボノ活動は3回目。地域活性化に興味があり、地域やチームとつながりができればと参加した。

けんちゃん(マーケッター)

地域創生×再生可能エネルギーの新規事業開発に従事。地方創生を志し、昨年、社会人大学院を卒業。学んだ知識を実践し社会に役立てていきたいと参加。

地域団体

地域概要

金沢市をはじめ2市2町にまたがる河北潟。干拓地では大規模農業が営まれ、酪農も盛ん。また県内でも有数の野鳥の宝庫としても知られている。

団体概要

河北潟の環境を改善しようと1994年に設立。水質や自然の調査研究、保全活動、環境に配慮した農作物の生産販売など幅広い活動を行っている。

プロジェクト概要

河北潟の水質汚濁などの問題を広く知ってもらうために、これまでのエコツアーを見直し、環境保全と地域活性化が両立する新エコプログラムの提案を行う。

←<3>へ

幅広く行われたヒアリング調査

プロボノチームが2班に分かれて行ったヒアリング調査。その対象は、河北潟水質浄化連絡協議会事務局がある「金沢市環境政策課」、河北潟干拓地を管理する「河北潟土地改良区」、河北潟の野菜や牛乳などを扱う「道の駅内灘サンセットパーク」、河北潟流域の浅野川(別名「女川」)の環境保全団体「女川の菜の花油に灯をともす会」、河北潟流域にあり、河北潟湖沼研究所の役員もいる「金沢星稜大学」、森下川上流の農業団体「まっきゃま」、“いきもの元気米”を栽培する農業法人「蓮だより」など、10組以上に及びました。

現地訪問は、チームが直接会って話せる貴重な機会でもあった
河北潟流域の上流。素敵な風景にも出逢えた

最終報告はアイディアが盛りだくさん

こうしたヒアリングや過去の流域アンケートの分析、3度に渡る河北潟への訪問など、プロボノチームは膨大なインプットを行い、アイディアを膨らませて練っていきました。 1月30日、そのアイディアを最終報告「未来につながる河北潟流域ツアーの新しい形」として発表。それは、従来のツアーのブラッシュアップはもちろん、新事業や広報活動、運営の効率化にまで及び、実に70ページ以上のぶ厚い報告書になりました。

井上さん、吉森さんからは、新規・ライト層の顧客獲得と、収益改善について。集客・認知度向上のためのSNSの使い方を提案。収益・運営効率アップには、これまで行ってきた講座から、学んだ証が残る「資格制度」に事業化する案や、高単価で少人数のツアーを企画する案。経費削減・運営効率アップにはQR地図の活用、スタンプラリーの開催、ボランティアガイド制の導入などが提案されました。またコロナ禍におけるツアーの形として、河北潟の食材と情報発信ができるオンラインツアーを紹介しました。

一方、実際の河北潟流域ツアーに参加した野田さん(のだちゃん)、山竹さん(やまちゃん)は、ツアーのブラッシュアップを検討し、オンラインの座学と現地でのフィールドワークを組み合わせた連続講座の開催を提案。受講者に河北潟流域を多面的に理解してもらうと共に、継続的なつながりを構築するのが狙いです。さらに行政や他の団体をも巻き込むことで、地域との連携を深め、河北潟で活躍する人材の育成にもつなげていけるのではと考えました。

最終報告に込めたプロボノチームの願い

4カ月間向き合い続けたプロボノチーム。

  • 河北潟の生物多様性を守り、地域振興につなげる
  • 湖沼が将来を担う子どもたちの育成の場となるよう再生する
  • 総合的に問題をとらえ、科学的に長期ビジョンをもって地域を導く

こうした河北潟湖沼研究所のビジョンを「河北潟の未来への思い」ととらえるようになりました。プロジェクトマネジャーの中山さん(ようこさん)は、「人ごとではなく自分ごととして、河北潟の未来を考え続けることができた。こういう人が一人でも多く現れる取り組みをしていってもらえれば」と話します。

「持続的な努力の必要性に共感できる仲間を増やしていくこと」こそが、河北潟の未来につながる。最終報告全体を通して、こうしたプロボノチームの願いが込められていました。

最終報告会。河北潟湖沼研究所のみなさんと

4カ月間のプロジェクトを終えて

この報告を受け取った高橋さんは、提案はどれも面白く興味深い内容だったと話します。
「みなさんが時間を使って一生懸命考えていただいた提案。いずれも素晴らしく、役に立つもので、全部試してみたいと思いました。連続ツアーは、内容までご提案いただいたので、このまま実行してみてもいいのではないかと感じています」

川原さんは、資格制度について可能性を感じたようです。
「この研究所は、大学の先生方がたくさん理事にいるので、そういうことをしたいとずっと思っていました。水辺の保全再生につながる制度ができたらすごくいいと感じています」

また、所長の永坂正夫さんや、理事の尾上健治さんも交えて、これまでに連続講座をした経験を踏まえながら、実際の運用についての課題などのディスカッションが交わされました。

これで4カ月に渡るプロジェクトは終了。「研究所のみなさんが積極的に参加してくれて、いい関係性を築けました。いいプロジェクトに参加できたと感謝しています」と中山さん。他のメンバーもそれぞれ、今後も持続的な仲間・ファンとして河北潟に注目し、関わっていきたいと話しました。

高橋さんは、4カ月をこう振り返ります。
「経験豊富で、若くやる気あふれるプロボノワーカーに出会え、たくさんのアイディアと元気をいただきました。プロジェクトは終わりですが、これから何かが始まりそうな気配がして楽しみです。これまでに2回*、プロボノワーカーの方たちとの協働を経験しました。いずれも少し難しい課題に取り組んでもらい、分析と提案という形の成果物になりました。それらは、長期的に具体的な活動・成果として実ってくるでしょう。次の機会があれば、ホームページの構築や宣伝物の作成など、さらに具体的・直接的な活動でも協働してみたいと思います。そして、私たちのようなNPOの活性化にプロボノがどう協働していけるのかを、多角的に見てみたいと考えています」

*1回目は2018年に販売する米の首都圏への展開についてPanasonic NPOサポート プロボノプログラムと協働

思いがけないスペシャルオファー

今回のプロボノチームとはこれからもつながっていきたいという高橋さんから、その後、思いもかけないオファーがプロボノチームに舞い込みました。それは2021年3月14日に行われる「河北潟流域シンポジウム」への出演。河北潟流域の連携について、大学の先生方の講演とともに、プロボノチームに事例報告をしてほしいというのものです。プロボノチームも快諾し、目下シンポジウムに向けて準備中。まだまだ河北潟との関係は続きそうです。

【プロジェクト進展】
11月18日〜26日 ヒアリング調査準備
11月27日〜30日 河北潟訪問(ヒアリング調査)
12月1日〜25日 ヒアリング分析
1月12日〜29日 最終報告に向けた提案内容整理
1月30日 最終報告会

(都市の社会人向け)