勝山市のリピーターを獲得するためのニーズを整理する「マーケティング基礎調査」<2>

福井県勝山市

勝山市観光まちづくり 株式会社

マーケティング基礎調査

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農泊・農業体験ならばリピーター来訪してもらえる?

まちづくり会社では、かねてから農業集落の保全プログラムに可能性を感じ、着手したいと考えていました。「農泊、農業体験、あるいはその2つをセットにすれば、ニーズはあるのではないか?それを道の駅を拠点として行っていきたいと考えています」(マネージャーの今井三偉<みつい>さん)

特に農泊は、宿泊施設が少ない勝山に滞在してもらえる手段としては有効で、農家の収入アップにもつながります。一方で提供している農家は現在ほとんどおらず、そのノウハウがないということがわかりました。

また、まちづくり会社では、恐竜博物館を訪れるファミリー層と農業体験は親和性が高いのではないかと見ており、そうした人たちにリピーターになってもらえる仕掛けをつくりたいと考えていました。理想としては、北陸新幹線の金沢-敦賀間が開業する2023年*1までにその土壌を整え、勝山の観光コンテンツに育てていきたいそう。

*1 2020年11月、工事の遅れにより開業が2024年に延期される見通しが明らかになった。

里芋の収穫はリフレッシュに最適!

キックオフミーティングの前日、プロボノチームは、「里芋収穫体験」に参加しました。勝山での農業体験の一例を、実際に感じることができる絶好の機会です。

里芋は勝山を代表する農産物。煮崩れしにくく、もちもちとした食感が特徴で「勝ち山さといも」としてブランド化されています。

体験は、里芋農家の本多範行さんの畑で行われました。傘のような大きな葉の下、土の中になる里芋。本多さんがあらかじめ葉を切り、掘り起こし、里芋がなっている株だけにしておいてくれました。直径20〜30㎝の株はまるで泥の塊のよう。親芋がありその周りに子どもの「里芋」がいっぱいついています。それを収穫専用の金属の棒で叩き、その衝撃で里芋を外していくのです。

みんなでコンテナ箱をイス代わりにして座り、収穫作業はスタート。初めての作業に、最初は慣れない手つきで、おそるおそる叩いていましたが、途中からはいきおいよく叩き、どんどん里芋を外していきます。畑の周りは、既に刈り取った田んぼや、白い花が咲くそば畑が。のどかな里山の風景が広がります。ここにはのんびりとした時間が流れています。

大きい株に里芋がいっぱい

休憩の際にお茶とともに出してくれたのは、本多さんの奥さんが作ってくれた「里芋の煮っ転がし」。使うのは出荷に適さない小さな里芋。これを水車に入れておくと表皮がむけ、薄皮だけになります。それを甘辛く煮た煮っ転がしは、里芋農家ならではの味。抜群においしく、プロボノチームにとってはまさにごちそう。

2時間後、用意してあった株から里芋をすべて収穫し終え、体験は終了しました。

絶品!本多さんの里芋の煮っ転がし

プロボノチームの福島朝子さん(ふくさん)は、「普段、土にふれる機会がほとんどないので癒されましたし、せかされない作業が心地よかったです。本多さんは、里芋掘りって本当に楽しいのかな?って心配していたけれど、楽しかったです。この取り組みで、本多さんみたいな純粋な地元の人たちを応援したいと思いました」

また、古山直也さん(なおやさん)も「里芋の煮っ転がしを、本多さんも奥さんも自信なさそうに出してくれたけど、私たちにしたら、とてもうれしかったです。こういうことがとても喜ばれることなんだと、勝山の人たちにお伝えしていきたいです」

一方、受け入れた本多さんは、「たくさん収穫してもらえた。自分たちだけだったらこんなに早くはできなかった」と、こちらもとても喜んでいました。

こうして勝山の風景や農業体験をより具体的にイメージできるようになったプロボノチーム。迎えたキックオフミーティングで、まちづくり会社から、農作業体験の可能性を問われると、コンテンツとしての魅力があると即答。「都会から勝山を訪れる観光客にとっては価値がある」としました。

楽しかった!里芋収穫体験
趣ある花月楼でのキックオフミーティング

交流こそがプロジェクトの情熱に

2日間、プロボノチームと交流したまちづくり会社の今井さんは、「色々な意見をたくさん出してくれるし、それぞれに個性があり、攻める人も守る人もいる印象で、チームとしてもとてもいいですね。何ができるかというのはこれからの議論ですが、提案いただいたことを、そのまま来年度スタートするというのがベスト。今回のプロジェクトでそこまでできるかもしれないと感じた」といい、勝山の人が気付いていない地元の小さな魅力を、一つずつ掘り起こしてほしいと期待します。

一方、プロボノチームでプロジェクトマネジャーを務める村山緑さん(みどりさん)も、キックオフミーティングの成果を感じており、「勝山のみなさんがやりたいのは、街の活性化ということが理解できました。農業体験や農泊などのコンテンツ提案はもちろん、サービスを提供する側の意識醸成も必要だと感じた」といいます。

実際の訪問で、勝山への親しみと、まちづくり会社の人たちの絆を感じはじめたプロボノチーム。「今回のプロジェクトは、あくまで、どの層にどんなニーズがあるかをクリアにするマーケティング基礎調査。ですが、具体的な提案とサポートまで行けるといいなと思います」(村山さん)。プロジェクトへの熱が一段と入ったようです。

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10月11日、いよいよ勝山をプロボノチームが初訪問。勝山の繁栄ぶりを今に残す明治30年築の「花月楼」にて、勝山市観光まちづくり 株式会社(以下、まちづくり会社)とのキックオフミーティングが行われた。プロボノチームは、勝山を訪問する1週間前から質問事項などをまとめ、準備をしてきた。キックオフミーティングの目的は、プロジェクトのミッションを共有すること。そのために、まちづくり会社に、勝山の現状や課題などを細かくヒアリング。リサーチの手法やプロジェクトのロードマップを確認するなどベクトルを細かく合わせていく。

プロボノチーム

みどりさん(プロジェクトマネジャー)

ソフトウェア企画開発・新規事業のマーケティング。次のステージに向け、新しいフィールドを探したいと参加。

なおやさん(マーケッター)

エネルギー・モビリティ領域のインフラ開発・運営。地域活性化で社会貢献したいと参加。新しい出会いと新しい経験に期待。

ふくさん(マーケッター)

webメディアのプロダクトマネージャー。プロボノ活動は2回目で、前回、さまざまな分野の人と出会い、多くのことを学んだ。

おかじさん(マーケッター)

医療用医薬品メーカー営業。社会貢献に興味があり、チームでプロジェクト単位の仕事の仕方を学びたいと参加。

地域団体

地域概要

福井県北東部にある勝山市。古くは繊維の町として栄えた。全国から観光客が訪れる福井県立恐竜博物館があり、“恐竜のまち”として有名。

団体概要

勝山市観光まちづくり株式会社。2016年設立。観光協会に代わり、勝山市周辺の観光PR、人材育成や施設運営、商品開発やツアー開発などの事業に取り組む。

プロジェクト概要

観光客に「勝山市に再び来たい」と思わせる仕掛けづくり。「マーケティング基礎調査」によりニーズを把握、合致する観光資源について提案を行う。

10月11日、いよいよ勝山をプロボノチームが初訪問。勝山の繁栄ぶりを今に残す明治30年築の「花月楼」にて、勝山市観光まちづくり 株式会社(以下、まちづくり会社)とのキックオフミーティングが行われた。プロボノチームは、勝山を訪問する1週間前から質問事項などをまとめ、準備をしてきた。キックオフミーティングの目的は、プロジェクトのミッションを共有すること。そのために、まちづくり会社に、勝山の現状や課題などを細かくヒアリング。リサーチの手法やプロジェクトのロードマップを確認するなどベクトルを細かく合わせていく。

プロボノチーム

みどりさん(プロジェクトマネジャー)

ソフトウェア企画開発・新規事業のマーケティング。次のステージに向け、新しいフィールドを探したいと参加。

なおやさん(マーケッター)

エネルギー・モビリティ領域のインフラ開発・運営。地域活性化で社会貢献したいと参加。新しい出会いと新しい経験に期待。

ふくさん(マーケッター)

webメディアのプロダクトマネージャー。プロボノ活動は2回目で、前回、さまざまな分野の人と出会い、多くのことを学んだ。

おかじさん(マーケッター)

医療用医薬品メーカー営業。社会貢献に興味があり、チームでプロジェクト単位の仕事の仕方を学びたいと参加。

地域団体

地域概要

福井県北東部にある勝山市。古くは繊維の町として栄えた。全国から観光客が訪れる福井県立恐竜博物館があり、“恐竜のまち”として有名。

団体概要

勝山市観光まちづくり株式会社。2016年設立。観光協会に代わり、勝山市周辺の観光PR、人材育成や施設運営、商品開発やツアー開発などの事業に取り組む。

プロジェクト概要

観光客に「勝山市に再び来たい」と思わせる仕掛けづくり。「マーケティング基礎調査」によりニーズを把握、合致する観光資源について提案を行う。

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農泊・農業体験ならばリピーター来訪してもらえる?

まちづくり会社では、かねてから農業集落の保全プログラムに可能性を感じ、着手したいと考えていました。「農泊、農業体験、あるいはその2つをセットにすれば、ニーズはあるのではないか?それを道の駅を拠点として行っていきたいと考えています」(マネージャーの今井三偉<みつい>さん)

特に農泊は、宿泊施設が少ない勝山に滞在してもらえる手段としては有効で、農家の収入アップにもつながります。一方で提供している農家は現在ほとんどおらず、そのノウハウがないということがわかりました。

また、まちづくり会社では、恐竜博物館を訪れるファミリー層と農業体験は親和性が高いのではないかと見ており、そうした人たちにリピーターになってもらえる仕掛けをつくりたいと考えていました。理想としては、北陸新幹線の金沢-敦賀間が開業する2023年*1までにその土壌を整え、勝山の観光コンテンツに育てていきたいそう。

*1 2020年11月、工事の遅れにより開業が2024年に延期される見通しが明らかになった。

里芋の収穫はリフレッシュに最適!

キックオフミーティングの前日、プロボノチームは、「里芋収穫体験」に参加しました。勝山での農業体験の一例を、実際に感じることができる絶好の機会です。

里芋は勝山を代表する農産物。煮崩れしにくく、もちもちとした食感が特徴で「勝ち山さといも」としてブランド化されています。

体験は、里芋農家の本多範行さんの畑で行われました。傘のような大きな葉の下、土の中になる里芋。本多さんがあらかじめ葉を切り、掘り起こし、里芋がなっている株だけにしておいてくれました。直径20〜30㎝の株はまるで泥の塊のよう。親芋がありその周りに子どもの「里芋」がいっぱいついています。それを収穫専用の金属の棒で叩き、その衝撃で里芋を外していくのです。

みんなでコンテナ箱をイス代わりにして座り、収穫作業はスタート。初めての作業に、最初は慣れない手つきで、おそるおそる叩いていましたが、途中からはいきおいよく叩き、どんどん里芋を外していきます。畑の周りは、既に刈り取った田んぼや、白い花が咲くそば畑が。のどかな里山の風景が広がります。ここにはのんびりとした時間が流れています。

大きい株に里芋がいっぱい

休憩の際にお茶とともに出してくれたのは、本多さんの奥さんが作ってくれた「里芋の煮っ転がし」。使うのは出荷に適さない小さな里芋。これを水車に入れておくと表皮がむけ、薄皮だけになります。それを甘辛く煮た煮っ転がしは、里芋農家ならではの味。抜群においしく、プロボノチームにとってはまさにごちそう。

2時間後、用意してあった株から里芋をすべて収穫し終え、体験は終了しました。

絶品!本多さんの里芋の煮っ転がし

プロボノチームの福島朝子さん(ふくさん)は、「普段、土にふれる機会がほとんどないので癒されましたし、せかされない作業が心地よかったです。本多さんは、里芋掘りって本当に楽しいのかな?って心配していたけれど、楽しかったです。この取り組みで、本多さんみたいな純粋な地元の人たちを応援したいと思いました」

また、古山直也さん(なおやさん)も「里芋の煮っ転がしを、本多さんも奥さんも自信なさそうに出してくれたけど、私たちにしたら、とてもうれしかったです。こういうことがとても喜ばれることなんだと、勝山の人たちにお伝えしていきたいです」

一方、受け入れた本多さんは、「たくさん収穫してもらえた。自分たちだけだったらこんなに早くはできなかった」と、こちらもとても喜んでいました。

こうして勝山の風景や農業体験をより具体的にイメージできるようになったプロボノチーム。迎えたキックオフミーティングで、まちづくり会社から、農作業体験の可能性を問われると、コンテンツとしての魅力があると即答。「都会から勝山を訪れる観光客にとっては価値がある」としました。

楽しかった!里芋収穫体験
趣ある花月楼でのキックオフミーティング

交流こそがプロジェクトの情熱に

2日間、プロボノチームと交流したまちづくり会社の今井さんは、「色々な意見をたくさん出してくれるし、それぞれに個性があり、攻める人も守る人もいる印象で、チームとしてもとてもいいですね。何ができるかというのはこれからの議論ですが、提案いただいたことを、そのまま来年度スタートするというのがベスト。今回のプロジェクトでそこまでできるかもしれないと感じた」といい、勝山の人が気付いていない地元の小さな魅力を、一つずつ掘り起こしてほしいと期待します。

一方、プロボノチームでプロジェクトマネジャーを務める村山緑さん(みどりさん)も、キックオフミーティングの成果を感じており、「勝山のみなさんがやりたいのは、街の活性化ということが理解できました。農業体験や農泊などのコンテンツ提案はもちろん、サービスを提供する側の意識醸成も必要だと感じた」といいます。

実際の訪問で、勝山への親しみと、まちづくり会社の人たちの絆を感じはじめたプロボノチーム。「今回のプロジェクトは、あくまで、どの層にどんなニーズがあるかをクリアにするマーケティング基礎調査。ですが、具体的な提案とサポートまで行けるといいなと思います」(村山さん)。プロジェクトへの熱が一段と入ったようです。

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(都市の社会人向け)