地域交流の場が地元に根付くことに貢献する「うみのアパルトマルシェ」業務マニュアルづくり (2)

富山県氷見市

うみのアパルトマルシェ実行委員会

活動運営マニュアル

←(1)へ

プロボノチーム、氷見へ

10月17日、プロボノチームが初めて氷見を訪問。氷見市有期職員で、「うみのアパルトマルシェ実行委員会」(以下、実行委員会)の村上史博さんと、うみのアパルトマルシェの舞台、氷見市中央町商店街へ。フェルトで手作りした食品サンプルが並ぶ定食屋さん、絶品のカレードリアが名物の喫茶店など、村上さんが一軒一軒、丁寧に紹介してくれます。商店街は、3階建てのビルが隣同士、壁を共有して並ぶ大きなビル群です。

この日のヒアリングは、村上さんと実行委員会の2人を対象に行いました。マルシェを立ち上げ、ほとんどの業務を担ってきた村上さん。この地を離れることになった今、残る実行委員会のメンバーに引き継いでほしいと考えています。プロボノチームの清水(あっきー)さんは、村上さんのマルシェへの思いについて、川口高史(ぐっち)さんは業務の細部について聞いていきます。いろいろな分野で活躍するプロボノワーカーが集まっているからこそできる多角的なヒアリング。その結果、作業の裏にある村上さんの思考も、マニュアルに落とし込んでいく必要があると判断しました。

マルシェのキャッチフレーズは「じぶんたちの手でつくる“遊び場的”マルシェ」。商店街の新規出店者獲得のため、まずはこのマルシェが地域交流の場になることを目指しています。「マルシェの空気感、コンセプトがぶれると来場者は興ざめしてしまう」と考える村上さんは、コンセプトに沿った運営を徹底しています。それは、出店者のスカウト基準にも表れています。インスタグラムのフォロワー数や「いいね!」の数をチェックしたり、店の様子をいろいろな写真で確認したり、十分に調べてからスカウトしています。出店時もPOPや接客を細かく観察するなどして、うみのアパルトマルシェの高い集客力は維持されてきました。

村上さんに案内されて氷見市中央町商店街を歩く
1日目のヒアリングの様子

2日目。氷見市中央町商店街振興組合会長の加納瑞穂さんと、実行委員会のメンバー3人にヒアリングしました。実際にマニュアルを使うことになる実行委員会のメンバーは20代半ば〜30代。中央町商店街に住む竹添英文さん、地域おこし協力隊の姫野知佳さん、中小企業サポート機関で働く一川有希さん、起業したての北条巧磨さん(この日は欠席)など、氷見でまちづくりに携わる仕事をしていることが共通点で、いずれもマルシェで成果を出す村上さんを慕っています。実行委員会のメンバーからは、「マニュアルにケーススタディを盛り込んでほしい」「村上さんのマルシェに対する思いやブランディングの工夫を言語化してほしい」という要望がでました。

また、ここで実行委員会のメンバーからも村上さんに質問してもらうことに。これまで村上さんから直接、マルシェについて詳しい話を聞いたことがなかった実行委員会のメンバーにとって、思いを知る良い機会になりました。村上さんにとってこのプロジェクトの裏目的でもあった、チームビルディングも進みそうです。

「僕の思いを伝えられる機会がなかった。初めて実行委員会のメンバーに『あ、そういう考えだったんだ』と知ってもらえることになって、知ると全然違うんだなと、すごい認識しました」

今後のマルシェを担う実行委員会のメンバーの熱量を感じられたことは、プロボノチームにとって、初回訪問の収穫の一つでした。 プロジェクトマネジャーの 山本涼太さん(やまちゃん)は、「みなさんの活気を、マルシェの持続的な発展にどううまく繋げていくかが、一番の醍醐味かなと思います」と振り返り、プロジェクトのこの先への意気込みを語ってくれました。

海だけじゃない!氷見の農村体験

午後は、農山漁村体験。氷見の山あいにある速川地区で、地元の人たちに教えてもらいながら、さつまいもの収穫体験です。ツルを引っ張ると、土の中から連なって立派なさつまいもが。その度に驚きの声が畑に響きます。案内してくれた澤田典久さんは、マルシェ立ち上げメンバーの一人で、マルシェにも出店経験があります。焼き芋をほおばりながら、マルシェの変遷や出店者の視点について聞くことができました。お土産に里芋もたくさんもらって、思い出とともに持ち帰りました。

さつまいもの収穫体験

定期的なミーティングがお互いのズレを防ぐ

初回訪問後、プロボノチームは、村上さんの作業内容をマルシェ開催の3カ月前から洗い出し、俯瞰することから開始。マニュアルづくりは2班に分かれて進めていきます。内部環境分析班の清水さん、野口陽菜さん(のぐっちゃん)は、ヒアリングを元に村上さんの作業を洗い出し、細分化します。マニュアルのひな形には、目的、内容、事例(ケーススタディ)を記載。目的からは村上さんの思いが分かり、事例からは具体的な対処法を知ることができるようにしました。

外部環境分析班の川口さん、平林昌平(バヤシ)さんは、本やインスタグラムなどから他地域のマルシェを分析。マニュアル化のヒントを探り、うみのアパルトマルシェに活かせるノウハウを抽出していきます。

ミーティングはオンライン。毎週土曜日に2回、昼はプロボノワーカーのみ、夜は実行委員会も参加して行いました。毎週、双方が顔を合わせてミーティングすることにはさまざまなメリットが。こまめにヒアリングでき、進捗状況も共有できるので認識のズレが起きにくくなります。プロジェクトが進んでいることを実行委員会にも実感してもらうことができ、「プロボノワーカーのみなさんが真剣なのが伝わった」「こんなに頑張ってくれるんだ」という声も。互いの距離と気持ちを埋める時間となりました。作成するデータはすべてGoogleドライブの共有フォルダに保存。誰でも書き込めるようにし、実行委員会も巻き込みながらプロジェクトを進めていきます。

そして初回訪問から約1カ月後の11月15日、うみのアパルトマルシェ開催を迎えます。プロボノチームにとっては、これまでヒアリングしてきた業務をリアルに見られる貴重なチャンス。ここから、プロジェクトは大きく動いていきます。

【プロジェクト進展】
10月4日  初顔合わせ(オンライン)
10月10日 プロボノチームのキックオフミーティング(オンライン)
10月17日 氷見市初回訪問1日目
10月18日 氷見市初回訪問2日目
10月19〜30日 鳥瞰図作成・2班に分かれて分析調査
10月31日 プロボノチームと団体のミーティング(オンライン)
11月7日 プロボノチーム内ミーティング(オンライン)/プロボノチームと団体のミーティング(オンライン)

→(3)へ

10月中旬、プロボノチームが初めて氷見を訪問。ヒアリングでは、これまでマルシェのコンセプトに沿った運営を徹底し、高い集客力を維持させてきた「うみのアパルトマルシェ実行委員会」村上史博さんの“思考”にも注目。作成したマニュアルを引き継ぐことになる実行委員にも会い、その活気を確認した。訪問後は、作業を洗い出し、細分化する一方で、他地域のマルシェも分析した。

プロボノチーム

やまちゃん(プロジェクトマネジャー) 

金融機関の総合職として海外子会社の経営管理を担当。2回目の参加。プロボノ活動の魅力は「会社じゃできないことができること」という。

あっきーさん(マーケッター) 

メーカーの人事マネジャー。東京五輪ボランティア延期をきっかけに参加。普段と異なる環境・立場での活動による気づきを期待。

ぐっちさん(マーケッター)

システム会社勤務。4回目の参加。「支援先とぐっと距離が近づく」瞬間にやりがいを感じて、プロボノ活動を続ける。

のぐっちゃん(マーケッター)

広告業界で審査業務を担当。プロボノ活動には以前から興味があり、転職とコロナ禍を機に、新しいことをやってみたいと参加。

バヤシさん(マーケッター)

フリーランスでキャリア相談を行う。個人としてのボランティア経験は多いが、チームとして問題解決する取り組みに挑戦したいと参加。

地域団体

地域概要

富山県の最西端、石川県との県境に位置する。人口約4万6千人(2020年11月1日現在)。富山湾に面し、漁業が盛ん。定置網にかかる出世魚ブリは、「ひみ寒ぶり」の名で有名。

団体概要

中心市街地の道路利活用事業として2017年に立ち上げ。「うみのアパルトマルシェ」の企画、運営、情報発信などを行なっている。

プロジェクト概要

実行委員会事務局として実務を担ってきた村上史博さんの退職にあたり、培ってきたノウハウ、コンセプトなども含めた運営マニュアルを作成。マルシェ継続のためスムーズな引き継ぎを目指す。

10月中旬、プロボノチームが初めて氷見を訪問。ヒアリングでは、これまでマルシェのコンセプトに沿った運営を徹底し、高い集客力を維持させてきた「うみのアパルトマルシェ実行委員会」村上史博さんの“思考”にも注目。作成したマニュアルを引き継ぐことになる実行委員にも会い、その活気を確認した。訪問後は、作業を洗い出し、細分化する一方で、他地域のマルシェも分析した。

プロボノチーム

やまちゃん(プロジェクトマネジャー) 

金融機関の総合職として海外子会社の経営管理を担当。2回目の参加。プロボノ活動の魅力は「会社じゃできないことができること」という。

あっきーさん(マーケッター) 

メーカーの人事マネジャー。東京五輪ボランティア延期をきっかけに参加。普段と異なる環境・立場での活動による気づきを期待。

ぐっちさん(マーケッター)

システム会社勤務。4回目の参加。「支援先とぐっと距離が近づく」瞬間にやりがいを感じて、プロボノ活動を続ける。

のぐっちゃん(マーケッター)

広告業界で審査業務を担当。プロボノ活動には以前から興味があり、転職とコロナ禍を機に、新しいことをやってみたいと参加。

バヤシさん(マーケッター)

フリーランスでキャリア相談を行う。個人としてのボランティア経験は多いが、チームとして問題解決する取り組みに挑戦したいと参加。

地域団体

地域概要

富山県の最西端、石川県との県境に位置する。人口約4万6千人(2020年11月1日現在)。富山湾に面し、漁業が盛ん。定置網にかかる出世魚ブリは、「ひみ寒ぶり」の名で有名。

団体概要

中心市街地の道路利活用事業として2017年に立ち上げ。「うみのアパルトマルシェ」の企画、運営、情報発信などを行なっている。

プロジェクト概要

実行委員会事務局として実務を担ってきた村上史博さんの退職にあたり、培ってきたノウハウ、コンセプトなども含めた運営マニュアルを作成。マルシェ継続のためスムーズな引き継ぎを目指す。

←(1)へ

プロボノチーム、氷見へ

10月17日、プロボノチームが初めて氷見を訪問。氷見市有期職員で、「うみのアパルトマルシェ実行委員会」(以下、実行委員会)の村上史博さんと、うみのアパルトマルシェの舞台、氷見市中央町商店街へ。フェルトで手作りした食品サンプルが並ぶ定食屋さん、絶品のカレードリアが名物の喫茶店など、村上さんが一軒一軒、丁寧に紹介してくれます。商店街は、3階建てのビルが隣同士、壁を共有して並ぶ大きなビル群です。

この日のヒアリングは、村上さんと実行委員会の2人を対象に行いました。マルシェを立ち上げ、ほとんどの業務を担ってきた村上さん。この地を離れることになった今、残る実行委員会のメンバーに引き継いでほしいと考えています。プロボノチームの清水(あっきー)さんは、村上さんのマルシェへの思いについて、川口高史(ぐっち)さんは業務の細部について聞いていきます。いろいろな分野で活躍するプロボノワーカーが集まっているからこそできる多角的なヒアリング。その結果、作業の裏にある村上さんの思考も、マニュアルに落とし込んでいく必要があると判断しました。

マルシェのキャッチフレーズは「じぶんたちの手でつくる“遊び場的”マルシェ」。商店街の新規出店者獲得のため、まずはこのマルシェが地域交流の場になることを目指しています。「マルシェの空気感、コンセプトがぶれると来場者は興ざめしてしまう」と考える村上さんは、コンセプトに沿った運営を徹底しています。それは、出店者のスカウト基準にも表れています。インスタグラムのフォロワー数や「いいね!」の数をチェックしたり、店の様子をいろいろな写真で確認したり、十分に調べてからスカウトしています。出店時もPOPや接客を細かく観察するなどして、うみのアパルトマルシェの高い集客力は維持されてきました。

村上さんに案内されて氷見市中央町商店街を歩く
1日目のヒアリングの様子

2日目。氷見市中央町商店街振興組合会長の加納瑞穂さんと、実行委員会のメンバー3人にヒアリングしました。実際にマニュアルを使うことになる実行委員会のメンバーは20代半ば〜30代。中央町商店街に住む竹添英文さん、地域おこし協力隊の姫野知佳さん、中小企業サポート機関で働く一川有希さん、起業したての北条巧磨さん(この日は欠席)など、氷見でまちづくりに携わる仕事をしていることが共通点で、いずれもマルシェで成果を出す村上さんを慕っています。実行委員会のメンバーからは、「マニュアルにケーススタディを盛り込んでほしい」「村上さんのマルシェに対する思いやブランディングの工夫を言語化してほしい」という要望がでました。

また、ここで実行委員会のメンバーからも村上さんに質問してもらうことに。これまで村上さんから直接、マルシェについて詳しい話を聞いたことがなかった実行委員会のメンバーにとって、思いを知る良い機会になりました。村上さんにとってこのプロジェクトの裏目的でもあった、チームビルディングも進みそうです。

「僕の思いを伝えられる機会がなかった。初めて実行委員会のメンバーに『あ、そういう考えだったんだ』と知ってもらえることになって、知ると全然違うんだなと、すごい認識しました」

今後のマルシェを担う実行委員会のメンバーの熱量を感じられたことは、プロボノチームにとって、初回訪問の収穫の一つでした。 プロジェクトマネジャーの 山本涼太さん(やまちゃん)は、「みなさんの活気を、マルシェの持続的な発展にどううまく繋げていくかが、一番の醍醐味かなと思います」と振り返り、プロジェクトのこの先への意気込みを語ってくれました。

海だけじゃない!氷見の農村体験

午後は、農山漁村体験。氷見の山あいにある速川地区で、地元の人たちに教えてもらいながら、さつまいもの収穫体験です。ツルを引っ張ると、土の中から連なって立派なさつまいもが。その度に驚きの声が畑に響きます。案内してくれた澤田典久さんは、マルシェ立ち上げメンバーの一人で、マルシェにも出店経験があります。焼き芋をほおばりながら、マルシェの変遷や出店者の視点について聞くことができました。お土産に里芋もたくさんもらって、思い出とともに持ち帰りました。

さつまいもの収穫体験

定期的なミーティングがお互いのズレを防ぐ

初回訪問後、プロボノチームは、村上さんの作業内容をマルシェ開催の3カ月前から洗い出し、俯瞰することから開始。マニュアルづくりは2班に分かれて進めていきます。内部環境分析班の清水さん、野口陽菜さん(のぐっちゃん)は、ヒアリングを元に村上さんの作業を洗い出し、細分化します。マニュアルのひな形には、目的、内容、事例(ケーススタディ)を記載。目的からは村上さんの思いが分かり、事例からは具体的な対処法を知ることができるようにしました。

外部環境分析班の川口さん、平林昌平(バヤシ)さんは、本やインスタグラムなどから他地域のマルシェを分析。マニュアル化のヒントを探り、うみのアパルトマルシェに活かせるノウハウを抽出していきます。

ミーティングはオンライン。毎週土曜日に2回、昼はプロボノワーカーのみ、夜は実行委員会も参加して行いました。毎週、双方が顔を合わせてミーティングすることにはさまざまなメリットが。こまめにヒアリングでき、進捗状況も共有できるので認識のズレが起きにくくなります。プロジェクトが進んでいることを実行委員会にも実感してもらうことができ、「プロボノワーカーのみなさんが真剣なのが伝わった」「こんなに頑張ってくれるんだ」という声も。互いの距離と気持ちを埋める時間となりました。作成するデータはすべてGoogleドライブの共有フォルダに保存。誰でも書き込めるようにし、実行委員会も巻き込みながらプロジェクトを進めていきます。

そして初回訪問から約1カ月後の11月15日、うみのアパルトマルシェ開催を迎えます。プロボノチームにとっては、これまでヒアリングしてきた業務をリアルに見られる貴重なチャンス。ここから、プロジェクトは大きく動いていきます。

【プロジェクト進展】
10月4日  初顔合わせ(オンライン)
10月10日 プロボノチームのキックオフミーティング(オンライン)
10月17日 氷見市初回訪問1日目
10月18日 氷見市初回訪問2日目
10月19〜30日 鳥瞰図作成・2班に分かれて分析調査
10月31日 プロボノチームと団体のミーティング(オンライン)
11月7日 プロボノチーム内ミーティング(オンライン)/プロボノチームと団体のミーティング(オンライン)

→(3)へ
(都市の社会人向け)